mariannelife

higashiyoshino since 2018

ただの夢

船の上。大戦中。

本丸を突かれ大切な相手を亡くしてしまったあの人も、きっともうこの世にはいないと解るようなメモに『粉にして』 と書かれていた。

私は遺言めいたメモのとおり、このミルで茶色のパラフィン紙のような大きな紙をくしゃくしゃに丸めて粉にしようと、船の上で悲しい気持ちとまだ生きている間に合うと急ぎの気持ちで粉にする。

そして汗をかいて起きた。 起きると映画スノーマンの最後の溶けてしまう時の幼少の感覚を思い出す。

私は夢で感じたこと、起きて感じたことをこれからの未来に感じることのように捉えていた。

大人になってからも夢をみて悲しい気持ちになるのか。

なんだか未来が不安になった。 その急ブレーキ感は現実世界でどう展開されるのだろうと怖れた。

『粉にして』 は、あの人がいない、寂しくてそれが誰にも言えない。しかし状況がわたししかメモを見ていないとその使命感にひとり抱え込む。

私が『粉にした』後はどんな続きがあったのだろうか。

一言でいうと怖い夢。

 

夢の予言か、今日の反省か、何かを思い巡らす。

私はやっぱり私が嫌いだ。

いないと事が明るく進んで誰かが幸せになったはず。言わなかったらこのぶっきらぼうの言葉で相手を傷つけなかったはず。私は存在自体他者の人生の中で悪の使いのようだ。

しかしこの自己の拒絶感が次を生んでいる。別に自分が嫌いだというのは一概にも悪と言えない。自己完結するものに関して言えばだが。