村へ嫁いだ風景。
嫁いだ当初、この村で暮らすことに必死だった。姑との関係、地域での立場、ただただ慣れること。
全く好きになれない。この姑、そして地域。全てを包み隠そうとも、思い込みを産み、嫌な話は誇張され、大きく拡がってゆく。
そうして、私という人間は風によって作り出され、幻想という重さをまとう。
幻想という闇の羽衣は重たく、なるだけ動きをとらずに、生きていく。それを知らない新参にその羽衣をまとわせる。
濡れ衣とも云えるこの羽衣は、女の生き残りをかけたもので、繰り返し、幻想と共に争われる。
そして、いつの間にか女は老いた。新しい時代を否定し、労苦のない者を妬み、姑と同じ姿になって巡り巡ってゆく。
女はやはりホラーです。
このお話はフィクションです。