根づき
私のほったらかし過ぎた畑を見た。
カボチャは畑の場外へ。
そこに茎から土に触れた部分に白く伸びた根があった。
ここでも根づこうとしていたのか。
トマトが寝そべって伸びていた。
葉は腐り、花は実り始めていた。
トマトは上へ上へ伸びていくと感じていたが、支えがないと上には伸びない。
逆を言うと、支えが無くとも、地に沿って伸びることが出来る。
環境(育ての主)に応じた生き方があるのかもしれないと感じた。何も支えが無くとも育つ部分はあるが、トマトでいえば真っ赤な実を実らせることは出来ないかもしれない。
私が東京でプランターで麦、稲、綿花、紅花、ハーブなどの植物をやっていて心に残っていることがある。
植物は自ら育ち伸びることは出来る。育て主が手を加えなくとも、日光や雨の恵みの他の要素が育ちを支えている。しかし私の植物はグングン伸びたところで自分の重みを支えられず、茎がしなり折れた。上へ伸びる植物が下を向くようにしなり折れた。そこに私は気づくことが出来なかった。数日たって、慌てて支えで補強した。その茎は再生することは無かった。花は7分咲きで、満開になれなかった。その子はドライフラワーにしようと茎から摘んだ。支えだけが残る鉢はなんとも言えない空気が漂う。
育ちを鑑み実を結ぶことが喜びなのか、大きくて美味しい実を数多く食べる事が喜びなのか、発見が喜びなのか、ゴールは人それぞれだ。出発点も目的地も違う。