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12月絵本の読み聞かせ 

今年最後の絵本の読み聞かせは3冊読みました。

「かさじぞう」再話: せた ていじ 絵: 赤羽 末吉 出版社: 福音館書店 発行日: 1966年11月

かさじぞうは私が泣けてくる本です。編み笠を一生懸命こしらえて、いい年をとるために町に売りに行くけど、だれも目向きもしない所が悲しすぎて、、、。地蔵様に編み笠をかぶせて真っ白になって帰って迎えるおばあの

「そうかそうか。かさをもってきたって こんやのたしにはならないもの。おじぞうさまにあげて よかったな。そだらば、つけものででも としをとるべ。」

とおじいにかける言葉がじーんと胸を打ちます。そんな物語を雪の日であるかのようにまっすぐ静かに子どもたちは声を発することなく見ていました。以前人形劇で年中と年長は見たことがあるものでしたが、年少さんもじーっと集中して見ていました。

「よるくま クリスマスのまえのよる」作: 酒井 駒子 出版社: 白泉社 発行日: 2000年10月

クリスマスが近づくころに読めたらいいのかなと、家の本だなを見渡して見つけたかわいい絵本です。見開きにツリーのオーナメントが美しくちりばめられて描かれていて、本を開けた見開きから年少さんが「わぁーいっぱいある!」と。今日ほど見開きをゆっくり見た日はなかった。見開きにもイラストがあると子どもは食いつくんだなぁと驚き。

「あしたは たのしい クリスマス。 いいこには サンタさんが くるよ。 でもね、わるいこには?」

という出だしで、「いい子にしてないとサンタさんは来ないよ!」と物語と自分をかさねているのでしょうか。サンタを待ちわびる子どもの言葉に「うんうん」とうなずきながら、物語の世界に入っていけました。

「ぶたのたね」作: 佐々木 マキ 出版社: 絵本館 発行日: 1989年10月

しっとりした2冊のあと、時間があったので、まったくちがうテイストを読みました。年少さんが狼とこぶたの劇をお楽しみ会でやってくれていたのでみんなにとって親しみある動物だなーと読みました。ぶたよりも走るのが遅い狼の話で、きつね博士にぶたの種とくすりをもらって育ててぶたの丸焼きをたべてやる!という話です。ぶたにバカにされながらも最後まで食べる事が出来なかった狼に対して、

「食べられるといいな。狼は怪我しちゃったから食べさせてあげたいな。」

と残念がる狼を気遣う年中さんのひとことが印象的でした。

こういうシーンの子どものひとつひとつに湧き出る言葉を身近で聞けるのはとても面白い。