カエルの死
若がアマガエルを見つけ、可愛がっていた。
「逃がそうとしたら、僕の方にちかづきてきたんやで。」
そりゃ可愛いわ。優しく優しく触り続けていたようだが弱ってしまったようだ。
気がつくと気持ちが沈んでいる。
「アゴが外れて、、、取れちゃって、、、」
とさっき置いたアマを探す。いない。
実は生きてて死んだフリして逃げたんじゃない?
と言うと、納得しなかった。
僕から逃げなかったアマガエルは友だちだって事だったんだろう。泣き出す。
辺りをウロウロして、死んじゃった、、ごめんと泣き叫んだ。
案外そういう心があるんだなぁと驚いた。これは見つけ出してあげる事がアマにとっても若にとっても大事だと、時間をかけて家族総出で探す。
すると、乾燥して岩に張り付き、アゴが確かに外れたようでベトーっと張り付き潰れた形だった。少し生きているけど見た目は1日経ったように乾燥していてもうダメな形。姿形はもう、悲しい。
触りすぎると粘膜っていう身体を守るものが無くなって弱くなるんだよ。そして死んでしまう。
アマガエルにごめんって言って天国で遊んでねって言ってあげたらいいんじゃない?
葉っぱで包んでお墓にした。
死んだ蜘蛛をバラバラにしたりするんだけど、逃げずにこっちに来てくれたアマガエルの愛ある時間とその死というのが特別悲しかったのかもしれない。
翌日、
「カエル、今日天国に行ったかな」
「まだ行ってる途中やな」
今日は雨が降るから雨の糸を伝って行ってるんじゃないか?と父がいうと、
「違うで。」
と、一言でファンタジックな世界が消滅しました。
あんな姿泣いてしまう若は久々にみた。そして翌日はドライ。ともあれ、貴重な生死を家族で感じたGW後半でした。